過活動膀胱は1997年に、アメリカとイギリスの2人の泌尿器科医師が提唱し、2001年に開催された国際禁制学会で、この新しい病名を使うことが決まりました。

2002年に日本で初めて行われた過活動膀胱の疫学調査の結果、40歳以上の12.4%に過活動膀胱の症状があり、その割合は年齢とともに増加していることがわかりました。日本の人口に換算すると、810万人の過活動膀胱の患者さんがいると推定されています。そのうち治療を受けている人は70〜80万人。多くの人が、だれにも相談できずにあきらめたり、我慢していたりするようです。
悩んでいるのは、あなただけではありません。ひとりで悩まず、専門医に相談してみましょう。
過活動膀胱の特徴的な症状は、突然おしっこがしたくなり、我慢することが難しい「尿意切迫感」です。症状としては次のようにまとめられます。
| 尿意切迫感 | 急におしっこがしたくなり、我慢できず、これ以上我慢するとおしっこをもらしてしまいそうになる感じ |
|---|---|
| 頻尿 | 1日に、8回以上排尿がある |
| 夜間頻尿 | 夜寝ている間に、排尿のために1回以上起きる |
| 切迫性尿失禁 | 尿意切迫感があり、トイレに間にあわずもらしてしまう |

過活動膀胱は、命に関わるような病気ではありません。しかし、いつもトイレのことが気になって、外出するのが嫌になったり、家事や仕事の妨げになったり、気分が落ち込んだりとQOLを著しく損ないます。
〔日常生活への影響〕
- 水に触ったり、水音を聞いたりしただけでトイレに行きたくなる。
- 外出先で、いつもトイレを気にしている。
- 長時間、中座できない状況が不安。
- 夜何度も起きるせいで睡眠不足になる。

過活動膀胱は、病気が原因で起こることもありますが、多くは原因がはっきりせず、検査をしても何も見つかりません。
腎臓でつくられた尿は、膀胱に溜められ、膀胱の筋肉が収縮することで外に排出されます。何らかの原因で、自分の意思とは関係なく膀胱が勝手に収縮してしまうと、急な尿意を感じたり、尿がもれてしまったりするのです。
過活動膀胱の治療には、おもに膀胱が意思に反して収縮してしまうのを抑える薬が使われます。
脳梗塞・脳出血
脳梗塞は脳動脈が詰まることによって、脳の細胞が死んでしまう病気。脳出血は脳動脈が破裂し出血する命にかかわる病気です。脳梗塞・脳出血を起こすとその後遺症として頻尿、尿もれを引き起こします。
脳腫瘍
脳腫瘍は大脳や小脳をはじめ、脳血管、下垂体など頭蓋骨の内部にできる腫瘍です。排尿を命令する部位に腫瘍ができるとその影響を受けて、尿意を自分の意思でコントロールできなくなることによる尿もれや過活動膀胱による尿もれを引き起こします。
パーキンソン病
パーキンソン病とは、40歳代から始まり50歳代に多く見られる神経系の病気です。
症状としては、手足がふるえる、手足の動きが遅くなる、便秘、排尿障害、発汗異常などがあらわれます。
骨髄損傷
交通事故などにより脊髄が損傷すると、膀胱から脳に信号を伝える神経が傷ついてしまいます。そのため本来、脳から送られる排尿の命令や制御の信号が伝わらないことがあります。その結果、膀胱が勝手に収縮したり、尿道がゆるんで、無意識のうちにおしっこをもらしてしまいます。
前立腺肥大症
前立腺は精液を保護する前立腺液をつくる男性だけにある器官です。膀胱の真下にあり、尿道の周囲を覆っています。40歳代後半になると前立腺が肥大し、尿道を圧迫し始めることがあります。主な症状としては、おしっこに時間がかかり、そのぶん何回もトイレに行く頻尿、残尿感などがあります。








